ちょっと前まで時代もの(江戸時代の庶民の話)を読んでいて、今は打って変わって現代もの(推しという言葉が出てくる)を読んでいるのですが、そうすると「時代性=現代性と普遍性」についてぽつぽつ考えてしまいます。
多分私が現代ものを好んでいるのは時代性、すなわち今の時代における人々や自分自身の、気持ちや考え方を代弁するような話を見つけたい、読みたいと言う気持ちがあるのかな?と思います。
一方で時代ものに求めているのは圧倒的な普遍性なのかな。もはや「どこかの地方の昔話だよねこれ」と思えるレベルの強度の高い普遍的な物語を読みたいのかもしれない。そんなレベルのものを描けるのはやっぱり一定以上の技術の持ち主だろうから、自然とハイレベルなものを読めて幸せです。
普遍性というと、徹底的に時代性を排したショートショートを書いた星新一のことを思い出します。あれは初めて読んだ時ものすごく新しさを感じたんですよね…自分が生まれる前に書かれた話だったのに…。ああいうふうに、書かれた時代を感じさせない物語にするのも戦略の一つなんだろうな。
時代性全振りの話は今この瞬間に読むのが楽しくて、ある程度時間が経ったらその時代を振り返りながら楽しめます。だから時代性と普遍性についてはある程度両方備えた物語が普通なのかなと思うけど、正直普遍性一辺倒で面白い話が書けたらもう向かう所敵なしなのでは?という気もします…。常人には到達できない域かもしれないけど。
それと、あまり関係ないけど北村薫(日常の謎ジャンルをつくったミステリ作家)の「物語が書かれるのは人生が一度きりであることへの抗議である」みたいな発言(うろ覚え)について、確かに読む側としてもそういう部分はあるけど、どちらかというと私は「全然違う人(作中人物)の視点に立って知らない世界を見てみたい」とか「作者がどう言う視点で世界を見ているのか知りたい」とか、そっちの方が強いかもしれません。話を読むことによって作者のことを知りたい気持ちが結構大きいのかも。
多分私が現代ものを好んでいるのは時代性、すなわち今の時代における人々や自分自身の、気持ちや考え方を代弁するような話を見つけたい、読みたいと言う気持ちがあるのかな?と思います。
一方で時代ものに求めているのは圧倒的な普遍性なのかな。もはや「どこかの地方の昔話だよねこれ」と思えるレベルの強度の高い普遍的な物語を読みたいのかもしれない。そんなレベルのものを描けるのはやっぱり一定以上の技術の持ち主だろうから、自然とハイレベルなものを読めて幸せです。
普遍性というと、徹底的に時代性を排したショートショートを書いた星新一のことを思い出します。あれは初めて読んだ時ものすごく新しさを感じたんですよね…自分が生まれる前に書かれた話だったのに…。ああいうふうに、書かれた時代を感じさせない物語にするのも戦略の一つなんだろうな。
時代性全振りの話は今この瞬間に読むのが楽しくて、ある程度時間が経ったらその時代を振り返りながら楽しめます。だから時代性と普遍性についてはある程度両方備えた物語が普通なのかなと思うけど、正直普遍性一辺倒で面白い話が書けたらもう向かう所敵なしなのでは?という気もします…。常人には到達できない域かもしれないけど。
それと、あまり関係ないけど北村薫(日常の謎ジャンルをつくったミステリ作家)の「物語が書かれるのは人生が一度きりであることへの抗議である」みたいな発言(うろ覚え)について、確かに読む側としてもそういう部分はあるけど、どちらかというと私は「全然違う人(作中人物)の視点に立って知らない世界を見てみたい」とか「作者がどう言う視点で世界を見ているのか知りたい」とか、そっちの方が強いかもしれません。話を読むことによって作者のことを知りたい気持ちが結構大きいのかも。
#ブクログ感想 >>976 猫さえいれば、 たいていのことはうまくいく。 (ポプラ文庫 日本文学 506)
猫がテーマのアンソロジーでした。若竹七海の話が目当てで読みましたが、他にもいい短編が多くてよかったです。多分テーマ選定も良かったんだと思います。猫好き二人のお見合いの話とか、会社に住み着いている歴代猫の話が好きでした。
若竹七海の話はなんだか一人だけ他と毛色が大幅に違って、いつもの若竹七海!!という感じでした。人間の悪意多め(でもくどくない)のコージーミステリ?かな。正直尺が足りなかったと思うからもっと読ませてほしかった…。結局真相が不明だからもう一捻りくらいオチがありそう…
猫がテーマのアンソロジーでした。若竹七海の話が目当てで読みましたが、他にもいい短編が多くてよかったです。多分テーマ選定も良かったんだと思います。猫好き二人のお見合いの話とか、会社に住み着いている歴代猫の話が好きでした。
若竹七海の話はなんだか一人だけ他と毛色が大幅に違って、いつもの若竹七海!!という感じでした。人間の悪意多め(でもくどくない)のコージーミステリ?かな。正直尺が足りなかったと思うからもっと読ませてほしかった…。結局真相が不明だからもう一捻りくらいオチがありそう…
最近一般文芸(エンタメ)の文庫アンソロが多い気がします。ちゃんと統計をとっているわけじゃないので完全に肌感覚なのですが、10年くらい前も「なんとなく多いな」と思った記憶が…。なので微妙にブームの時期があるのかも。
しかし昔と違って、私はアンソロにおける作家ごとの文章や内容の練度の違い、はっきり言うと小説の技術の違いを結構ひしひしと感じられるようになってしまいました。やらしい読者になったものです…。
自ら書いて読んでを何度も繰り返してきたからだんだんそういうのが分かるようになったんだと思います。どちらか片方だけだったら多分こうはなってなかった気がする。おかげでプロの文章のうまさをよりよく味わえるようになったので、いいことだとは思ってますが!
しかし昔と違って、私はアンソロにおける作家ごとの文章や内容の練度の違い、はっきり言うと小説の技術の違いを結構ひしひしと感じられるようになってしまいました。やらしい読者になったものです…。
自ら書いて読んでを何度も繰り返してきたからだんだんそういうのが分かるようになったんだと思います。どちらか片方だけだったら多分こうはなってなかった気がする。おかげでプロの文章のうまさをよりよく味わえるようになったので、いいことだとは思ってますが!
>>1060 レッドカメリアを1話まで読みました。あとは刊行されたら買って一気読みします。
天才神官少女・伊集(女たらしの才能がある)が主人公(同年代の女の子)のことをどんどんたらし込んでいくシーンが面白かったです。テンペストの真美那を思わせて好き。池上永一特有のどぎつさは多分健在みたいだけど、今のところはまだ鳴りをひそめているかな…。
さすがに聞得大君が真牛ってことはないだろうから、テンペストとは別の系列だと思います。でも寧温出てこないかなーとかちょっと思っちゃいますね、時代も多分今後被ってくるだろうから…
天才神官少女・伊集(女たらしの才能がある)が主人公(同年代の女の子)のことをどんどんたらし込んでいくシーンが面白かったです。テンペストの真美那を思わせて好き。池上永一特有のどぎつさは多分健在みたいだけど、今のところはまだ鳴りをひそめているかな…。
さすがに聞得大君が真牛ってことはないだろうから、テンペストとは別の系列だと思います。でも寧温出てこないかなーとかちょっと思っちゃいますね、時代も多分今後被ってくるだろうから…
原田ひ香さん「1億円が目標なら、必達を信じて勉強を」:日本経済新聞
「三千円の使いかた」 の作者さんインタビューです。インタビュー側のメディアがメディアだから小説そのものよりも本のテーマ(節約とか投資とか)に寄ったインタビューで、面白い視点でした。
この作者さんはこの本がヒットしたから今後もこの路線で行くのかな?投資みたいな話ってかなり時代性のあるネタだから、いい切り口だけど調べるのも話を組み立てるのも大変そうだ…
「三千円の使いかた」 の作者さんインタビューです。インタビュー側のメディアがメディアだから小説そのものよりも本のテーマ(節約とか投資とか)に寄ったインタビューで、面白い視点でした。
この作者さんはこの本がヒットしたから今後もこの路線で行くのかな?投資みたいな話ってかなり時代性のあるネタだから、いい切り口だけど調べるのも話を組み立てるのも大変そうだ…
#ブクログ感想
桜ほうさら
10年くらい前にでた宮部みゆきの時代物で、「きたきた捕物帖」の舞台の一つである富勘長屋が出るという話を聞いたので読んでみたら、貸本屋の治兵衛、筆記用具などを仕入れてくれる勝六、料理屋のとね以など共通の登場人物がいっぱい出てきて楽しかったです。
治兵衛さんは奥さんの事件がリアルタイムで10年越し、作中時間だと20年以上越しに解決したのか…。いや本当に良かったね北一がいてくれて…。
桜ほうさらの方はシリーズものじゃないし、田舎からやってきた浪人?が主人公なのでまた違った味わいでした。一人の青年の成長物語として甘酸っぱさもほろ苦さもあって完成してました。10年前からあまりにも筆力が高い作者さんだ…
途中、直接本筋と関係のない事件が起きて「なんでこのエピソードを挿入したんだろう」と思ったけど、それも最終的にちゃんと回収されてさすがでした。「ミステリーの書き方」 によると宮部みゆきは結構めちゃくちゃな順番でプロットを考えているはずなのに、いつもかなりきれいにおさまってるんですよね。新聞連載もたくさんやってるし地力が違うのかなあ…
桜ほうさら
10年くらい前にでた宮部みゆきの時代物で、「きたきた捕物帖」の舞台の一つである富勘長屋が出るという話を聞いたので読んでみたら、貸本屋の治兵衛、筆記用具などを仕入れてくれる勝六、料理屋のとね以など共通の登場人物がいっぱい出てきて楽しかったです。
治兵衛さんは奥さんの事件がリアルタイムで10年越し、作中時間だと20年以上越しに解決したのか…。いや本当に良かったね北一がいてくれて…。
桜ほうさらの方はシリーズものじゃないし、田舎からやってきた浪人?が主人公なのでまた違った味わいでした。一人の青年の成長物語として甘酸っぱさもほろ苦さもあって完成してました。10年前からあまりにも筆力が高い作者さんだ…
途中、直接本筋と関係のない事件が起きて「なんでこのエピソードを挿入したんだろう」と思ったけど、それも最終的にちゃんと回収されてさすがでした。「ミステリーの書き方」 によると宮部みゆきは結構めちゃくちゃな順番でプロットを考えているはずなのに、いつもかなりきれいにおさまってるんですよね。新聞連載もたくさんやってるし地力が違うのかなあ…
>>1059 さっそく本屋で買って来ましたが…予想の1/4くらいの分量でした。あの壮大なあらすじがこの長さに収まるのか…!?
まだしばらく宮部みゆきの長編を読むつもりなので手がつけられるのはもう少し先かな。
「テンペスト」の池上永一が描く、首里城を舞台にした物語「レッドカメリア」hontoにて連載開始!
そういえば池上永一は今何を書いてるんだろう…と調べたらWEBで連載してたんですね。テンペスト系列の話だったらありがたいな〜。
とりあえず1話を読みはじめました。この怒涛の専門用語、もはやファンタジーに相当するよなあ…。でもこうやって世界観を構築していくタイプの話は好きです。
まだしばらく宮部みゆきの長編を読むつもりなので手がつけられるのはもう少し先かな。
「テンペスト」の池上永一が描く、首里城を舞台にした物語「レッドカメリア」hontoにて連載開始!
そういえば池上永一は今何を書いてるんだろう…と調べたらWEBで連載してたんですね。テンペスト系列の話だったらありがたいな〜。
とりあえず1話を読みはじめました。この怒涛の専門用語、もはやファンタジーに相当するよなあ…。でもこうやって世界観を構築していくタイプの話は好きです。
楽園の楽園
ブクログから新刊通知メールが来て、「何だこのタイトル…?恩田陸か…?」と思ったら伊坂幸太郎でした。よし、買おう!(即決)
もうこの人は書き下ろししか書かないんですかね。久々に大作の予感…!個人的にはこの人の連作短編とか軽めの話が好きなんですけど、本人の趣味嗜好としては大作が好きなのかなあ。
ブクログから新刊通知メールが来て、「何だこのタイトル…?恩田陸か…?」と思ったら伊坂幸太郎でした。よし、買おう!(即決)
もうこの人は書き下ろししか書かないんですかね。久々に大作の予感…!個人的にはこの人の連作短編とか軽めの話が好きなんですけど、本人の趣味嗜好としては大作が好きなのかなあ。
#ブクログ感想
気の毒ばたらき きたきた捕物帖 (三)
宮部みゆきの時代物で三島屋変調百物語シリーズとどう区別をつけるのかな、と思ったのですが、多分きたきた捕物帖は連作短編ではなく長編でいくのかな。今回は二話入っていて、一話目の終わりがちょっとすっきりしないなあ…と思ったら二話目でしっかり回収されていました。
現代ものの杉村三郎シリーズは一般会社員が紆余曲折あって私立探偵になる話でしたが、きたきた捕物帖は多分普通の文庫売りが岡っ引きになるまでの話なんですかね。今回は主人公の修行パートまであって、本格的にそっち方面にかじを切った感じがありました。あと野良犬のシロとブチがかわいい。
最後の方は面白くて百ページ一気読みしました。この人の本の百ページはだいぶ重かったけど、満足感がありました。こういう一気読みをしている時って、読書の醍醐味・最高の楽しみを味わっている感覚があります。
気の毒ばたらき きたきた捕物帖 (三)
宮部みゆきの時代物で三島屋変調百物語シリーズとどう区別をつけるのかな、と思ったのですが、多分きたきた捕物帖は連作短編ではなく長編でいくのかな。今回は二話入っていて、一話目の終わりがちょっとすっきりしないなあ…と思ったら二話目でしっかり回収されていました。
現代ものの杉村三郎シリーズは一般会社員が紆余曲折あって私立探偵になる話でしたが、きたきた捕物帖は多分普通の文庫売りが岡っ引きになるまでの話なんですかね。今回は主人公の修行パートまであって、本格的にそっち方面にかじを切った感じがありました。あと野良犬のシロとブチがかわいい。
最後の方は面白くて百ページ一気読みしました。この人の本の百ページはだいぶ重かったけど、満足感がありました。こういう一気読みをしている時って、読書の醍醐味・最高の楽しみを味わっている感覚があります。
宮部みゆきの時代物を読み始めたのですが、この人の文章は柔らかい書き方をしているのにものすごくかっちりしていて、もはや一字たりとも別の言葉に置き換えられないような隙の無さを感じるんですよね。行間の隅々まで意味が詰まっているというか…。
こんなにいい意味でガチガチの文章を書ける人は他に知らないです。小説でフィクションのはずなのに、一切嘘がないように感じられてしまう。むしろ他の人のノンフィクションとかエッセイのほうがまだ隙がある気がする…。やっぱり、もともとものすごく文章を書ける人が長年書き続けてきたからこそたどり着けた境地なのかな…?
現代ものじゃなくて時代物だからそう思うのかもしれない。文章が私の知らない知識だらけで構成されてるから、どうやって資料をあたっているのかすら想像もつかないです。「切り餅」=へそくりみたいなものである、というのは時代物をよく読んでたらピンとくるものなんですかね…?
隙のあるないでいうと、例えば恩田陸の文章は隙が多いと思います。想像の余地とか余白とかとも言うのでしょうが、実際恩田陸は改行も多い気がする。でも恩田陸作品についてはそういう浮世離れしたところが好きなので、どちらが良い悪いはないと思います。文章のスタイルに寄る。
私は戦国時代の武将の話とかにはあまり興味がわかないのですが、江戸時代の庶民の話はファンタジー要素の入った現代ものみたいな読み方ができるので、割と好きです。普通の人情話が一番好き、というのが結論かもしれない。
こんなにいい意味でガチガチの文章を書ける人は他に知らないです。小説でフィクションのはずなのに、一切嘘がないように感じられてしまう。むしろ他の人のノンフィクションとかエッセイのほうがまだ隙がある気がする…。やっぱり、もともとものすごく文章を書ける人が長年書き続けてきたからこそたどり着けた境地なのかな…?
現代ものじゃなくて時代物だからそう思うのかもしれない。文章が私の知らない知識だらけで構成されてるから、どうやって資料をあたっているのかすら想像もつかないです。「切り餅」=へそくりみたいなものである、というのは時代物をよく読んでたらピンとくるものなんですかね…?
隙のあるないでいうと、例えば恩田陸の文章は隙が多いと思います。想像の余地とか余白とかとも言うのでしょうが、実際恩田陸は改行も多い気がする。でも恩田陸作品についてはそういう浮世離れしたところが好きなので、どちらが良い悪いはないと思います。文章のスタイルに寄る。
私は戦国時代の武将の話とかにはあまり興味がわかないのですが、江戸時代の庶民の話はファンタジー要素の入った現代ものみたいな読み方ができるので、割と好きです。普通の人情話が一番好き、というのが結論かもしれない。
猫さえいれば、 たいていのことはうまくいく。 (ポプラ文庫 日本文学 506)
若竹七海がオリジナルアンソロに寄稿してるの珍しい…!しかも猫というと猫島系列の話かと思ったら違うみたいだし!これは読むしかない…楽しみ…!
若竹七海がオリジナルアンソロに寄稿してるの珍しい…!しかも猫というと猫島系列の話かと思ったら違うみたいだし!これは読むしかない…楽しみ…!
#ブクログ感想
時間移民 劉慈欣短篇集2
この人(三体の作者さん)のSFは短編が輝いていると思う。今回は下のようないつもの要素がいっぱい入っていてよかった。
時間移民 劉慈欣短篇集2
この人(三体の作者さん)のSFは短編が輝いていると思う。今回は下のようないつもの要素がいっぱい入っていてよかった。
- 話の通じない人外(異星人)が出てきてそこら中めちゃくちゃにして去っていく
- 人の業により未来の破滅が約束される
- ロマンス要素×SF要素
- ド派手な戦争(今の世界情勢を考えると洒落にならない話もある)
#ブクログ感想
アンソロジー 料理をつくる人 (創元文芸文庫) 西條奈加 千早茜 深緑野分 秋永真琴 織守きょうや 越谷オサム
主に素人の料理をつくる人が出てきて、料理によってちょっとだけ何かが変わったり変わらなかったりするアンソロジーでした。
短編なので、店屋物とか他人の作った食事を食べてばっかりだった人がなんらかのきっかけで自炊するようになって、自炊っていいよね〜となって終わり、みたいな話が多めだったかもしれない。その中でバッドエンド寄りの話が異彩を放っていてよかったです。
アンソロジー 料理をつくる人 (創元文芸文庫) 西條奈加 千早茜 深緑野分 秋永真琴 織守きょうや 越谷オサム
主に素人の料理をつくる人が出てきて、料理によってちょっとだけ何かが変わったり変わらなかったりするアンソロジーでした。
短編なので、店屋物とか他人の作った食事を食べてばっかりだった人がなんらかのきっかけで自炊するようになって、自炊っていいよね〜となって終わり、みたいな話が多めだったかもしれない。その中でバッドエンド寄りの話が異彩を放っていてよかったです。
BOOK☆WALKER書店員厳選!14冊に使える特別クーポン配布中!
このキャンペーンのおかげで、私が持ってなかった劉慈欣の絵本?「火守」が100円で買えてしまいました。恩田陸のspring も94%offで買えるらしいです。めちゃくちゃありがたい…
このキャンペーンのおかげで、私が持ってなかった劉慈欣の絵本?「火守」が100円で買えてしまいました。恩田陸のspring も94%offで買えるらしいです。めちゃくちゃありがたい…
時間移民 劉慈欣短篇集2
劉慈欣の翻訳はもう打ち止めかと思っていたので短編集が出てくれて嬉しい…!早速買ってきました。
この人のSF短編は長編とは別の良さがあって好きです。解説だけちらっと読んだら「円」 の評価が高い(新海誠監督のコメントが載ってました)らしいですが、個人的には「流浪地球」 が好きでした。
また規模の大きな話が載ってないかなあ。できれば地球が爆発したり太陽が爆発したりしてほしい(スカッとするから)
劉慈欣の翻訳はもう打ち止めかと思っていたので短編集が出てくれて嬉しい…!早速買ってきました。
この人のSF短編は長編とは別の良さがあって好きです。解説だけちらっと読んだら「円」 の評価が高い(新海誠監督のコメントが載ってました)らしいですが、個人的には「流浪地球」 が好きでした。
また規模の大きな話が載ってないかなあ。できれば地球が爆発したり太陽が爆発したりしてほしい(スカッとするから)
#ブクログ感想
物語ること、生きること (講談社文庫)
守り人シリーズを三冊くらい読んだので、作者さんの自伝的な本も読んでみました。こういう経歴の人があれを書いたのかーとかなり納得できました。確かにトロガイはそのまんま沖縄のユタとかだよなあ…
一番心にぶっ刺さったのが、「わたし的には」という言葉が気になる…という話でした。これが「それぞれの価値を尊重した結果、埋めがたい溝が、溝のまま放置されてしまう」事態につながっているのではないかという問題提起があって思わず唸ってしまいました(詳細は本文を読んでください)。そのとおりかもしれない…これはちょっと肝に銘じていきたい。
物語ること、生きること (講談社文庫)
守り人シリーズを三冊くらい読んだので、作者さんの自伝的な本も読んでみました。こういう経歴の人があれを書いたのかーとかなり納得できました。確かにトロガイはそのまんま沖縄のユタとかだよなあ…
一番心にぶっ刺さったのが、「わたし的には」という言葉が気になる…という話でした。これが「それぞれの価値を尊重した結果、埋めがたい溝が、溝のまま放置されてしまう」事態につながっているのではないかという問題提起があって思わず唸ってしまいました(詳細は本文を読んでください)。そのとおりかもしれない…これはちょっと肝に銘じていきたい。
#ブクログ感想
三条陸 HERO WORKS(Vジャンプ単行本)
>>834 これ読んでたらムジュラのゲームシステムが褒められてました。確かにループする世界のタイムスケジュールがゲーム側にちゃんと残るのって重要だな…。
この方邪聖剣ネクロマンサーのシナリオ書いてたんですね。びっくりしました。
最後まで読んだ結果、作者さん本人の人柄が一番印象に残りました。楽しそうに仕事されていることが伝わってくるいいインタビュー本でした!
あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)
↑の本で怪獣だのウルトラマンだのの話が出てきたので、「そういえばウルトラマンについて熱く語るエッセイを前に読んだな…」と思って本棚から引っ張り出してきました。ちゃんと残していてよかった。これはなかなかの名エッセイでは。
東野圭吾の小学校〜大学生までのアホな少年時代を振り返るエッセイです。全体的にむせ返るほど昭和時代の雰囲気にあふれていました。手放しにいい時代だったとはとても言えないだろうし、自分がその時代を過ごしたわけでもないのに、なぜか郷愁が湧いてくるような内容でした。
三条陸 HERO WORKS(Vジャンプ単行本)
>>834 これ読んでたらムジュラのゲームシステムが褒められてました。確かにループする世界のタイムスケジュールがゲーム側にちゃんと残るのって重要だな…。
この方邪聖剣ネクロマンサーのシナリオ書いてたんですね。びっくりしました。
最後まで読んだ結果、作者さん本人の人柄が一番印象に残りました。楽しそうに仕事されていることが伝わってくるいいインタビュー本でした!
あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)
↑の本で怪獣だのウルトラマンだのの話が出てきたので、「そういえばウルトラマンについて熱く語るエッセイを前に読んだな…」と思って本棚から引っ張り出してきました。ちゃんと残していてよかった。これはなかなかの名エッセイでは。
東野圭吾の小学校〜大学生までのアホな少年時代を振り返るエッセイです。全体的にむせ返るほど昭和時代の雰囲気にあふれていました。手放しにいい時代だったとはとても言えないだろうし、自分がその時代を過ごしたわけでもないのに、なぜか郷愁が湧いてくるような内容でした。
#ブクログ感想
御社のチャラ男 (講談社文庫)
タイトルを見て、軽い感じの話かなーと思ってたら真逆で超濃密な物語でした。どこにでもあるような普通の中小企業につとめる人たちが、チャラ男(コネ入社した、見てくれだけがいい人)に対して複数の視点から述懐することで進む話で、最初はそういうチャラ男に対する愚痴みたいなものが綴られた連作短編集かと思ってましたが、最終的には見事に長編になってました。
とにかく人間描写がすさまじかったです。「石北会計事務所」(意識高い系の婉曲表現)なんかは自分の脳内で今後使っていけるレベルでぴったりの表現でした。あとは男と女それぞれの猿山とか(マウンティング的な意味で上ったら降りられないたとえ)、詠嘆の感情が存在しなくて喋る言葉がニュースサイトの見出しみたいになっている娘とか…。
解説にもありましたが、うっすら現代に生きる我々が考えていることの言語化能力がすさまじかったです。作者さんはなんとなく視点の持ち方からして若めの人かと思ったらそうでもなくて、二重にびっくりしました。でもこの濃密さは人生経験のなせる技かも…
「ゴールズワージー、それがどうした」←この章タイトルや中身が割と中島京子テイストでちょっと嬉しかったです
この本で紙の本の積読がなくなったので、また何か買ってこないといけない…。明日会社帰りに本屋に寄れるかな?
御社のチャラ男 (講談社文庫)
タイトルを見て、軽い感じの話かなーと思ってたら真逆で超濃密な物語でした。どこにでもあるような普通の中小企業につとめる人たちが、チャラ男(コネ入社した、見てくれだけがいい人)に対して複数の視点から述懐することで進む話で、最初はそういうチャラ男に対する愚痴みたいなものが綴られた連作短編集かと思ってましたが、最終的には見事に長編になってました。
とにかく人間描写がすさまじかったです。「石北会計事務所」(意識高い系の婉曲表現)なんかは自分の脳内で今後使っていけるレベルでぴったりの表現でした。あとは男と女それぞれの猿山とか(マウンティング的な意味で上ったら降りられないたとえ)、詠嘆の感情が存在しなくて喋る言葉がニュースサイトの見出しみたいになっている娘とか…。
解説にもありましたが、うっすら現代に生きる我々が考えていることの言語化能力がすさまじかったです。作者さんはなんとなく視点の持ち方からして若めの人かと思ったらそうでもなくて、二重にびっくりしました。でもこの濃密さは人生経験のなせる技かも…
「ゴールズワージー、それがどうした」←この章タイトルや中身が割と中島京子テイストでちょっと嬉しかったです
この本で紙の本の積読がなくなったので、また何か買ってこないといけない…。明日会社帰りに本屋に寄れるかな?
コンビニ兄弟 ―テンダネス門司港こがね村店― (3) (新潮文庫nex)
1巻2巻も数年前(発売時)に読んだのですが、正直キャラ以外はほぼ覚えてないです…。
個人的に今回の話が一番良かったかな。もはやコンビニの外や県外(門司港にあるコンビニという設定なので)まで飛び出している話が2/3を占めているのですが、そっちのほうがおもしろかったです。九州旅行に行きたくなります。作者さんは九州在住らしいし、その土地が好きなんだなあという気持ちが伝わってきました。