#ブクログ感想 御社のチャラ男 (講談社文庫) タイトルを見て、軽い感じの話かなーと思ってたら真逆で超濃密な物語でした。どこにでもあるような普通の中小企業につとめる人たちが、チャラ男(コネ入社した、見てくれだけがいい人)に対して複数の視点から述懐することで進む話で、最初はそういうチャラ男に対する愚痴みたいなものが綴られた連作短編集かと思ってましたが、最終的には見事に長編になってました。とにかく人間描写がすさまじかったです。「石北会計事務所」(意識高い系の婉曲表現)なんかは自分の脳内で今後使っていけるレベルでぴったりの表現でした。あとは男と女それぞれの猿山とか(マウンティング的な意味で上ったら降りられないたとえ)、詠嘆の感情が存在しなくて喋る言葉がニュースサイトの見出しみたいになっている娘とか…。解説にもありましたが、うっすら現代に生きる我々が考えていることの言語化能力がすさまじかったです。作者さんはなんとなく視点の持ち方からして若めの人かと思ったらそうでもなくて、二重にびっくりしました。でもこの濃密さは人生経験のなせる技かも…「ゴールズワージー、それがどうした」←この章タイトルや中身が割と中島京子テイストでちょっと嬉しかったですこの本で紙の本の積読がなくなったので、また何か買ってこないといけない…。明日会社帰りに本屋に寄れるかな? 読書 2024/12/08(Sun)
御社のチャラ男 (講談社文庫)
タイトルを見て、軽い感じの話かなーと思ってたら真逆で超濃密な物語でした。どこにでもあるような普通の中小企業につとめる人たちが、チャラ男(コネ入社した、見てくれだけがいい人)に対して複数の視点から述懐することで進む話で、最初はそういうチャラ男に対する愚痴みたいなものが綴られた連作短編集かと思ってましたが、最終的には見事に長編になってました。
とにかく人間描写がすさまじかったです。「石北会計事務所」(意識高い系の婉曲表現)なんかは自分の脳内で今後使っていけるレベルでぴったりの表現でした。あとは男と女それぞれの猿山とか(マウンティング的な意味で上ったら降りられないたとえ)、詠嘆の感情が存在しなくて喋る言葉がニュースサイトの見出しみたいになっている娘とか…。
解説にもありましたが、うっすら現代に生きる我々が考えていることの言語化能力がすさまじかったです。作者さんはなんとなく視点の持ち方からして若めの人かと思ったらそうでもなくて、二重にびっくりしました。でもこの濃密さは人生経験のなせる技かも…
「ゴールズワージー、それがどうした」←この章タイトルや中身が割と中島京子テイストでちょっと嬉しかったです
この本で紙の本の積読がなくなったので、また何か買ってこないといけない…。明日会社帰りに本屋に寄れるかな?