進捗雑記

#-神×薬 一話目冒頭こんな感じ(ED後設定)
「ああ、あなたがテメノスさんの恋人なんだねえ」
「……え?」
 キャスティは間の抜けた声を漏らした。
 落ち葉舞うフレイムチャーチ村の入り口にて。彼女は長い階段の下で大きな荷物を抱えて難儀している老婆を見つけ、代わりに荷物を持って上ってきたところだった。
 やっと村に到着し、息を整える老婆を待っていると、老婆はまじまじとキャスティを見てから唐突にそう告げた。
「話には聞いていたけど、会うのは初めてだよ」老婆はしきりにうなずいている。
「ええと……どなたかと勘違いしていませんか」
 キャスティは失礼と思いつつもこう返すしかなかった。今の自分はさぞ間の抜けた表情をしているだろう、と思いながら。
 テメノスの恋人、といったか。そんな存在は聞いたことがない。老婆はフレイムチャーチの住民のようだが、もしかして有名なのだろうか?
 キャスティはかつて仲間として彼と長い間一緒に旅をしていた。が、彼の色恋沙汰については聞いたこともなかった。
 ただ、テメノスは顔立ちが綺麗で物腰も柔らかいため、彼に熱を帯びた視線を向ける者は見た覚えがある。たとえそういう人物に直接声をかけられても、彼はいつもの通りのらりくらりとかわすだけだろうが……。
 老婆はにこにこして目を細める。
「あなた、よくテメノスさんに会いに来ている人だろう? 時々村に恋人が来ているって聞いたよ」
「そ、そうなんですか? でも私ではないですよ」
 確かにキャスティは定期的にフレイムチャーチを訪れている。今回もテメノスに誘われてやってきた。しかしそんな事実はどこにもない。
 その時、脳裏に小さな明かりが灯る。ただ一人、テメノスが親しくしている女性を知っているが――まさか。
「……もしかして黒い髪の女性では?」
「さあ、どんな人かまでは知らないねえ」
「きっとそうですよ」
 八人の旅を終えた後、単独で放浪を続けるソローネは、時折テメノスと一緒に仕事をしていると聞く。残念ながらキャスティとはち合わせることは少ないが、テメノスによればフレイムチャーチにしばしば顔を見せるそうだ。
 納得すると同時に、キャスティは驚いていた。恋人――いつの間にそうなっていたのだろう。確かにソローネとテメノスは旅の最中から仲が良かった。
 思考が過去に流れかけたキャスティは、腕に持ったままの荷物をはっとして見下ろす。
「家までお荷物運びましょうか?」
「いや、大丈夫だよ。ありがとうさん」
「お気をつけて」
 膨らんだ鞄を老婆に手渡す。ゆっくりと歩き去っていく老婆を見送りながら、キャスティはしばらくその場でぼうっとしてしまった。
 木枯らしが吹き抜けて水色のケープの裾を揺らす。飛んでいく木の葉を目で追った先に、噂の主・テメノスがいた。
 彼は相変わらず年齢を感じさせない静かな佇まいで、短い銀髪を風に散らし、杖をついて薄くほほえむ。
「キャスティ、お久しぶりです」
多分冒頭は大幅に変わることはないはず…。基本的なプロットは>>363 に書いたとおりですが、細部はいろいろ違います畳む