今宮部みゆきの三島屋変調百物語の新刊を読んでいるんですが、たまたまとはいえ連続で怪談ですね。私ってもしかしてホラー苦手とか言いながら結構読んでるのか…? そのへんについてつらつら考えていたら、私は映像などビジュアル化されたものが苦手で、文章で読む分には「物語」になるからそこまで忌避感がないのかも、と思いました。小説だと普通にストーリーを楽しんでしまう。それと恩田陸も宮部みゆきも、「他人から聞いた話」という体の怪談だから読みやすいのかも。主人公に危機が迫るタイプではないからとっつきやすい、というのはありそう。 今読んでる本の一話目がざまあ系みたいな話の運びで(いわゆる復讐もの)、押しも押されもせぬ大ベテランは一体どうやってこのネタを料理するんだろう…と思ったら、詳しい内容は伏せますが因果応報のめぐり具合が美しくて、バランス感覚が半端ないなと思いました。ざまあするだけで終わっていなくて、うまいこと溜飲が下がるというか…感情のいろんな部分を刺激される話でした。 現代作家に求められているものって多分、そういうバランス感覚なんですよね。「どぎつさがない話」とも言い換えられるかな。現代はそれがないと他人にお勧めしづらい→売り上げが落ちるという難しさがあります。しかもどんどん倫理観価値観が変わるから、うまくバランスを取るのはかなり難しいと思う。 前も書いた気がするけど、最近の宮部みゆきの時代物は昔話レベルに普遍性がありつつ、現代的なバランス感覚もある隙のない話だなあ…と思います。一体どれだけ研鑽を積んだらこんな練度の話(文章自体も話のつくりも)が書けるんだ…? 読書 2025/05/21(Wed)
そのへんについてつらつら考えていたら、私は映像などビジュアル化されたものが苦手で、文章で読む分には「物語」になるからそこまで忌避感がないのかも、と思いました。小説だと普通にストーリーを楽しんでしまう。それと恩田陸も宮部みゆきも、「他人から聞いた話」という体の怪談だから読みやすいのかも。主人公に危機が迫るタイプではないからとっつきやすい、というのはありそう。
今読んでる本の一話目がざまあ系みたいな話の運びで(いわゆる復讐もの)、押しも押されもせぬ大ベテランは一体どうやってこのネタを料理するんだろう…と思ったら、詳しい内容は伏せますが因果応報のめぐり具合が美しくて、バランス感覚が半端ないなと思いました。ざまあするだけで終わっていなくて、うまいこと溜飲が下がるというか…感情のいろんな部分を刺激される話でした。
現代作家に求められているものって多分、そういうバランス感覚なんですよね。「どぎつさがない話」とも言い換えられるかな。現代はそれがないと他人にお勧めしづらい→売り上げが落ちるという難しさがあります。しかもどんどん倫理観価値観が変わるから、うまくバランスを取るのはかなり難しいと思う。
前も書いた気がするけど、最近の宮部みゆきの時代物は昔話レベルに普遍性がありつつ、現代的なバランス感覚もある隙のない話だなあ…と思います。一体どれだけ研鑽を積んだらこんな練度の話(文章自体も話のつくりも)が書けるんだ…?