#落花 三話目二回目の推敲8205字 なんというか全体的にもっとうまく書けるだろという感じなんですが、まあ焦っても仕方ないのでちまちま直していきます…一話目の冒頭抜き出し(薬師二章の例のチャット)続きを読む「キャスティ……何か思い出せましたか?」 対面するテメノスが、わずかに眉を下げて尋ねる。「まだ肝心なことは何も……」 キャスティはぼそぼそと答え、手の中の葉を揺らした。 サイの街に引き続いて、医療日誌にあった場所を訪れたら確かに記憶が蘇った。自分がここに何度か来ていたことは確実だ。今の自分よりもローサたちの方が昔のキャスティにくわしいくらいで、治療の合間に記憶のヒントになりそうな話も聞かせてくれる。 だが、ウィンターブルームを訪れて、今までになかった疑問がふくらんできた。自分はローサの言うように、記憶を失っても以前と変わっていないのだろうか? ウィンターブルームで会った人々は、エイル薬師団を信じ切っていた。サイの街でもそうだった。しかし、それは裏で何もしていなかったことの証明にはならない。カナルブラインでかけられた「人殺し」の言葉はまだキャスティの耳に残っている。「正直……恐い気もするの」 吐息とともに言葉が漏れる。直後、余計な発言だったと悟ってごまかそうとしたが、「何がです?」とテメノスに問い返され、答えないわけにはいかなくなった。 もう、この際全部吐いてしまおうか。テメノスの静かな視線が続きを促している。懺悔というのはこういう気分か、とキャスティは自嘲気味に考えた。「記憶喪失ってね……忌まわしい過去を忘れるため、自らが起こすこともあるらしいの」 記憶を探す傍ら、キャスティはモンテワイズの図書館で記憶喪失がどういうきっかけで起こるのかを調べた。単純に頭を強く打つなどの物理的な刺激を受ける、もしくは精神的に強い衝撃を受けることが原因になるらしい。キャスティは衰弱した状態で海を漂っていたところを定期船に拾われたので前者の可能性が高いが、後者も捨てきれなかった。 彼女がサイの街で思い出したのは、降り注ぐ紫の雨と、見知らぬ誰かと対峙していた光景だ。それが、無意識に封印したくなるほどの過去だったのか。何かを思い出すたびに胸が鈍く痛むのも、そのせいなのだろうか。「もしかしたら、このままのほうが幸せなのかもしれないって……」 小さくつぶやき、視線を下げる。指の力が抜けて、ウロシズメの葉が机の上に落ちた。「キャスティ」 静かに呼びかけられる。テメノスが葉を拾って、返してくれた。そのまま薬草ごとキャスティの手が彼の手に包まれる。手袋を外して冷えていた肌がじわりとぬくもった。(え?) 驚いて顔を上げた。 銀の前髪がテメノスの額をさらりと流れ、翡翠色の瞳がきれいに細められる。 今までに一度も見たことのない顔だった。普段の苛烈な異端審問官はどこへ行ったのやら、彼の表情はどこまでも穏やかで、キャスティは呆然としてしまう。「安心してください。あなたは――」 ゆっくりと動く唇を眺め、そこから紡がれる言葉に鼓膜を震わせ、キャスティは目を見開いた。例のチャットを私が真面目に書くとこうなります。冒頭だけやたらと甘ったるい(?)雰囲気ですが、この話はほぼほぼシリアスです。いや最後の方は挽回するような勢いでまた生ぬるくなりますが…畳む 進捗 2024/11/27(Wed)
一話目の冒頭抜き出し(薬師二章の例のチャット)
例のチャットを私が真面目に書くとこうなります。
冒頭だけやたらと甘ったるい(?)雰囲気ですが、この話はほぼほぼシリアスです。いや最後の方は挽回するような勢いでまた生ぬるくなりますが…畳む