進捗雑記

#ブクログ感想
「ゴールドサンセット」白尾悠
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素人高齢者だけの劇団が発足して、それに参加する役者や周辺の人の人生を様々な視点で描く連作短編集でした。老いも若きもそれぞれの人生の過程で割と深刻な悩みがあるけど、それでも生きていく…みたいな力強いテーマ性を持った話でした。

この作者さんの本は前に「サード・キッチン」 を読んだことがあります。あれは長編だったせいか印象がぼやけてしまったけれど、この話はそれぞれの短編がキレよくまとまっていました。
ただし、私がよく言っている普遍性、時代性などのバランスは若干偏っていて、「どぎつい」と形容できるかできないかギリギリのラインを攻めている印象でした。柚木麻子よりは読みやすいと思う。でも「どぎつさ」ってイコールその話に込められたパワーとも呼べるバロメータなので、とにかく作者さんの強い気持ちはひしひしと感じます。