#ブクログ感想 成瀬は天下を取りにいく (新潮文庫)宮島未奈 (Loading...)... 数年前に話題になっていた気がする本屋大賞受賞作が文庫になったので読みました。三話目を読み始めた段階からずっと「構成がうまい…」と唸ってました。デビュー作がこれなのは信じられない。すでに中堅の貫禄があるよ。 内容としては、滋賀県の膳所という場所に住む中高生くらいのちょっと変わった女の子(高校の入学式に坊主で現れたりする)が、突拍子もないような行動によって周りにじんわり変化を与える…という短編が数本収録されてました。 「成瀬は〜」というタイトルと表紙の女の子くらいしか知らないレベルで読み始めました。こういう感じでパッケージングされた連作短編集だと、まず考えられるのは「成瀬は〇〇する」みたいなタイトルの短編が五話くらい入ってて、一話目に出てきた相棒の友達視点で全部語られる本かなーと予想したのですが、完全に外れでした。 話ごとに予想外の視点人物が出てきて世界に広がりが感じられ、でもちゃんと主役の成瀬あかりの話に回帰します。短編同士にはゆるいつながりがあって、最終話できれいに落ちがつく…連作短編集に求められる構成を相当な高水準でクリアしていました。 文庫版の解説は森見登美彦が書いてました。道理でSNSで宣伝していたわけだ。この解説も、読み終わった読者の気持ちや感想を拾い上げてうまいこと言語化して、さらにその先へ連れて行ってくれるような内容でした。こんな大当たりの解説はなかなか読めないレベルで良かったです。 面白い、ページをめくる手が止まらない!!みたいな感じに読者を引っ張るタイプの話ではないですが、しみじみ良さが染み渡ってくる青春小説でした。この人の本もっと読みたいな。 (Loading...)... 特設サイトがあったのでリンク貼っておきます。漫画版もあるとは…。小説が一話分まるまる試し読みで掲載されてるのは良いですね。 読書 2025/08/29(Fri)
成瀬は天下を取りにいく (新潮文庫)宮島未奈
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数年前に話題になっていた気がする本屋大賞受賞作が文庫になったので読みました。三話目を読み始めた段階からずっと「構成がうまい…」と唸ってました。デビュー作がこれなのは信じられない。すでに中堅の貫禄があるよ。
内容としては、滋賀県の膳所という場所に住む中高生くらいのちょっと変わった女の子(高校の入学式に坊主で現れたりする)が、突拍子もないような行動によって周りにじんわり変化を与える…という短編が数本収録されてました。
「成瀬は〜」というタイトルと表紙の女の子くらいしか知らないレベルで読み始めました。こういう感じでパッケージングされた連作短編集だと、まず考えられるのは「成瀬は〇〇する」みたいなタイトルの短編が五話くらい入ってて、一話目に出てきた相棒の友達視点で全部語られる本かなーと予想したのですが、完全に外れでした。
話ごとに予想外の視点人物が出てきて世界に広がりが感じられ、でもちゃんと主役の成瀬あかりの話に回帰します。短編同士にはゆるいつながりがあって、最終話できれいに落ちがつく…連作短編集に求められる構成を相当な高水準でクリアしていました。
文庫版の解説は森見登美彦が書いてました。道理でSNSで宣伝していたわけだ。この解説も、読み終わった読者の気持ちや感想を拾い上げてうまいこと言語化して、さらにその先へ連れて行ってくれるような内容でした。こんな大当たりの解説はなかなか読めないレベルで良かったです。
面白い、ページをめくる手が止まらない!!みたいな感じに読者を引っ張るタイプの話ではないですが、しみじみ良さが染み渡ってくる青春小説でした。この人の本もっと読みたいな。
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特設サイトがあったのでリンク貼っておきます。漫画版もあるとは…。小説が一話分まるまる試し読みで掲載されてるのは良いですね。