進捗雑記

#ブクログ感想
spring another season  恩田陸
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2年くらい前に出たバレエの小説↓の番外編短編集でした。
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春(主人公)と他キャラの関係をそれぞれの視点で描いた短編集でした。本編の内容を忘れかけていたけど、読んでいるうちにだんだん思い出せました。「蜜蜂と遠雷」でもこういう番外編集があったけど、あっちと違って数十年後の主人公が還暦を迎えた時の話まであってびっくりしました。

このシリーズは、チョコレートコスモス(芝居)で扱った動き+蜜蜂と遠雷(ピアノ)で描かれた音楽という、文字で表現するのが難しいものを両方扱っているのがネックなのかな…と思います。私はバレエを見たことがない+クラシック音楽もあまり知らないのでなかなか想像が難しいところがあります。
でもキャラはみんないいし好きでした。ラストはあの人視点になって、余韻のある終わり方をするので連作短編集っぽい側面もあります。単純に話を時系列順に並べてないのは絶対狙った構成だと思う。

扱うテーマ・概念や「特異な主人公を周りの人の視点から描く」という構図など、やっぱり私は恩田陸に相当影響を受けてるな…と改めて思いました。初めてまともに一般文芸を読んだのが恩田陸の「球形の季節」で、そこから恩田陸に大ハマリして当時刊行されていた本を読み漁った記憶があります。読書の原体験と思うとそりゃあ影響を受けますよね。
小説の面白さに目覚めた本当の原体験というと「ズッコケ三人組のバックトゥザフューチャー」ですが…。そのへんの話もいつかくわしく書きたいな。
#ブクログ感想
リバー 下 (集英社文庫)奥田英朗
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登場時点で「この人が殺されるんだろうな…」と思っていた人が殺されるところまでは予想できたけど、そこから展開が3ひねりくらいあったのは予想できなかったな…。起承転結の承がだいぶ長かったイメージだけど、最後ちゃんと盛り上がって駆け抜けてくれてよかった。
事件の犯人もそうですが、刑事を引退したり娘を殺されたりした結果、無敵の人と化した市民が強い話でしたね…。そういう存在に寄り添いすぎずに描くのがうまかった。登場人物が多いけど最後までするする読めました。
#ブクログ感想 #カービィ
星のカービィ ディスカバリー 新世界へ走り出せ!編 (23) (角川つばさ文庫)
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原作で語られなかった部分が丁寧に補完されてました。適度なボリュームで過不足なくシナリオ説明とキャラの活躍を描くのはベテランの技だ…。
メタナイトが町にいた理由もちゃんと書かれていたし、何より二人プレイでクリアした身としてはバンダナワドルディがずっと活躍してたのが良かった!
この調子でロードトリップのノベライズもやってほしいけどどうかな…エアライダーネタはやるかな?
#ブクログ感想
リバー 上 (集英社文庫)奥田英朗
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群像劇の犯罪小説です。ちょうどこの間無為さんと一緒に旅行に行った栃木県の足利市が舞台の一つなので、ちょっと複雑だ…!穏やかでいい場所だったので、あんな場所で殺人事件があったら確かに大ごとだなあ…

犯罪小説(クライムノベル)と下巻の帯にあって、「犯罪小説って読んだことないけど警察小説とどう違うんだろう」と思ってました。でもこの本を読んだら理解できました。警察だけでなくて被害者、容疑者たちや新聞記者の視点でも描かれる、ある殺人事件が中心になった群像劇です。実際に自分が事件の渦中にいるかのようにするする読めました。

今のところ容疑者3人のうち1人がどう考えても怪しいけど、ここからひねりのきいたオチになるのかな…? ミステリ要素もあるけど、今のところごちゃごちゃしたトリックがある感じでもないので、まさに犯罪小説と呼ぶのがふさわしいと思います。
#ブクログ感想
小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない (角川文庫)大沢在昌
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久々に読み返しました。最初はハードカバーかなにかで出ていたのを図書館で借りて読んで、次にこの文庫を買って読んで…なので読むのは3回目かな?
ハードカバー版は確か、この小説講座に参加された受講生の方々の実作に対する批評がたくさん載ってたんですよね。文庫版ではそれが削除されて、代わりに2019年当時の最新の作家をとりまく状況に関するインタビューが載ってます。当時はデビューの方法がどんどん多様になっていた時期で、今だとさらに違うのかな。

作家になってご飯を食べていきたい人に焦点を当てて書かれているので、「新人賞の偏差値」なんて言葉も飛び出しますが、個人的に一番ためになったのは視点統一の話です。「この話は一人称なんだからこんな言葉選びはおかしい」みたいな指摘(生徒の作品に対して)が、もう身に覚えがありすぎてグサグサ胸に刺さります。
大沢在昌が講師だからエンタメ・ミステリ系小説中心のハウツーで、そっち系を書きたい人は読むと面白いと思います。
#ブクログ感想
亡命ロシア料理 新装版(ピョートル・ワイリ、アレクサンドル・ゲニス)
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昔SNSではやっていた時からずっと読みたかった本でした。ソ連からアメリカに亡命した人が書いたロシア料理の作り方のエッセイ集です。
翻訳が非常にいいですね。原文の軽妙さを再現していると思われるダジャレが散見されました。
アメリカに亡命したことで得た視野の広さで、故郷も亡命先も他の国も平等に揶揄していく姿勢が面白いです。でも根本的に料理と食べることが好きな人が書いた文章なのが伝わってきます。一章あたりが短めなのも嬉しい。 ちゃんと写真付きレシピも載ってるのはイメージしやすいです。汁物が特に美味しそうだったな…。

行列のできる時代小説 男の料理 (コスミック時代文庫)細谷正充
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買ってから気づいたんですが、コスミック時代文庫ってどこの出版社…?となりました。文字が大きめなのも普段読まない文庫だったからかな。読み始めると気になりませんでしたが。
男性作者による男性料理人の時代小説、というちょっとめずらしい趣向のアンソロジーです。時代小説って私は女性作者ばっかり読んでたのでなかなか新鮮で良かった。
他の本に収録された話が中心でしたが、一作文庫書き下ろしもありました。
ちゃんと料理がメインで問題の解決法になっている話が多くてよかった。美味しそうな上に見た目も美しく季節を意識した料理が出てくるのが良い。

>>897,1545 最近読んだ料理系アンソロジーというとこのあたりもありましたが、今回の本が一番料理が美味しそうでした。まあディストピア飯に負けるわけにはいかないけど…!
#ブクログ感想
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>>556 このシリーズの前日談で、マーダーミステリという卓上ゲーム?をやる話でした。机上の殺人事件を扱ってるから物騒じゃないのはいいですね。友人の家を貸し切ってゲームをやってるのでそれなりに臨場感があります。謎解きもしっかりあって、探偵役である主人公の業の深さみたいなものが見えてよかったです。

#ドラクエ
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十年以上ぶりに読み返しました。天空物語と並んで私の好きなドラクエ漫画ですね…。マルモの仲間のエピソードでちょっと涙ぐんでしまった。絵柄もしっかりドラクエしてるし、原作要素の拾い方がうまくて面白い…。私はこの漫画を読んで、いわゆる少年漫画の面白さがどういうものなのかやっと理解した覚えがあります。
やっぱり20巻くらい続いてほしかったなー!新装版についてる番外編みたいな話では色んなキャラのその後が見られてよかった。
#ブクログ感想
さよならジャバウォック 伊坂幸太郎
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伊坂幸太郎はずっと追ってますが、ここ数年私の求めるボリュームと内容から微妙に外れた路線で攻めてくるな…と思ってました。でも今回は久々にピッタリ求めていたところにハマって、めっちゃ面白かったです!3日で一気読みしてしまった。
帯に「長編ミステリ」と書いてあって、最初の展開からしてどちらかというとサスペンスでは…?と思っていたら、話が進むにつれてちゃんとミステリになってました。こういう緊張感を持続させて読者を引っ張っていくタイプの話はやっぱりうまいなあ。
それとミステリを書く時の伊坂幸太郎は結構フェアなので、頑張ればこの大きな仕掛けも種明かし前に気づけたはずだけど、今回は素直に驚かされました。「重力ピエロ」のときは登場人物が気づく100ページ前(文庫版)には謎解きできたのに…!
これはネタバレを知った状態で再読するのがが楽しいタイプの話なので、いつか読み返そう。

伊坂幸太郎は管理社会とかディストピアっぽい描写、暴力が支配する世界!みたいな描写が多くて(確か「火星に住むつもりかい?」「モダンタイムス」あたりはそうだったような…)、そういうのはちょっと苦手だけど今回はいい塩梅でした。まあ苦手といいつつ私は刊行作を全部読んでるんですが!

でも帯の惹句はもうちょっと考えたほうが良いかも…。本当の本当に導入部分の「夫を殺した」ということしか書いてない。確かにそうだけど、この話のメインってそこじゃないから…。POPなしでこの本だけだとどんな話かいまいち伝わらないです。サスペンス要素が強い、スリリングな話だってことをもっと宣伝したほうがいいと思う。
#ブクログ感想
うたかたモザイク (講談社文庫)一穂ミチ
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多分アンソロジーでは読んだことがあるけど単独の本では読んだことのない作者さんです。ショートショートみたいな短い話から、中編に近い長さの話まで入った短編集でした。SFありホラーあり感動系あり…で幅広いジャンルを網羅してました。長めの話のほうが面白かったかな。
語彙は若干ネット寄り?だと感じた瞬間があったのですが、小説としての格調高さはちゃんと保っているので不思議な文章でした。

そういえば商業小説って普通に成人向け描写があってもレーティングも何もないんですよね。予告もなくそういう描写が入ってくるのでちょっとびっくりしてしまった。BL系出身の作家さんなのか。道理で情感に溢れた文章を書かれるはずだ。
#ブクログ感想
赤毛のアン (文春文庫)松本侑子 L・M・モンゴメリ
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新アニメ→TVでやってた映画→原作の順番で読みました。もう頭の中にグリーンゲイブルズのイメージは出来上がっていたので、小説の豊かな情景描写からはっきりと景色を思い浮かべられてよかったです。でもメディアミックスより原作が一番情報量が多かったと思います。
多分他の訳の方が有名なんでしょうが、こっちのバージョンは注釈が非常に詳しい+全訳という触れ込みがあったので、こちらを読みました。確かに注釈の量はすごかったです。後半百ページくらい?全部注釈でしたからね…。何章か本編読む→後ろの注釈を読む、の繰り返しで理解が深まりました。
この話がキリスト教文学の側面が強いことは注釈がなかったら絶対気づけなかったでしょう。「この文章の元ネタはこれなので、実は〇〇が△△に愛情を向けていることを示している」みたいな解説が多くて「そうだったのか…!」となりました。

アニメで唐突だなあと思った展開は原作通りで、時の流れがかなり早いのも全部原作通りで驚きました。長編だけど短編エピソードの積み重ねで書かれてるから、もともとアニメ向けだったのかも。
終わり方がとても良いです。アンは若くして人生の道の曲がり角に来たわけですが、それでも希望の持てるラストでした。続編もいろいろあるけど、この一冊だけでも十分完成度が高いです。

しかしアンは本当によく喋るな…。本編の10分の1くらいはアンの台詞だったんじゃないかってくらい喋ります。一回喋り始めたら2ページくらいずっと喋り続けるから…。それでもすらすら読めましたが。そしてマリラの心理描写がめっちゃ良かったなあ…。マリラは前から好きだったけどもっと好きになった。
小説ってやっぱり言葉ではっきり書いてあるから、映像から感情を読み取るよりも理解しやすい気がします。それが情報量の多さにもつながってる気がする。
#ブクログ感想
残された人が編む物語 (祥伝社文庫)桂望実
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タイトルどおり「行方不明になった人が身近にいて、捜索してくれる協会に依頼するけど実際その人は亡くなっていて…」という流れの話がいくつか入った連作短編でした。
確かに帯にある通り感動系の話が多かったけど、淡々とした筆致で描かれているので押し付けがましさはなかったです。

だいたいは行方不明になっていた故人はいい人だったというオチだけど、一編だけ故人がろくでもないやつで、吹っ切れた主人公が無敵の人と化して今まで自分を虐げてきた相手に対して無双しはじめるのはかなり面白かったです。あの話だけ違うテンションだった。
それと、化粧品販売員が家庭内暴力の跡を隠す手伝いをしてさらに相手を励ますのは、身近なヒーローの形でとても良いなあと思いました。 畳む


感想タグ100件目でした。一応タグ以上に読んでるけどめでたいな!今後もマイペースに読んでいきます。私にとっての一番の趣味だから。
#ブクログ感想
「ロイヤルホストで夜まで語りたい」朝井リョウほか
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「成瀬は天下を〜」のシリーズの作者さんの書いている話が読みたくて、図書館で借りてきました。
しかし、ロイヤルホスト(ファミレス)がテーマの小説アンソロジーかと思ってたのですが、まさかのエッセイ集でした。主に文筆業に携わる方々がロイヤルホストに対する思いを語りまくるエッセイが何本も入ってました。あとお笑い芸人も熱く語ってました。こんなにロイヤルホストのことが好きな人がいっぱいいるんだ…とびっくりしました。
私は前住んでいた場所の近くに店舗があったので、ちょくちょく行ってました。10年以上前の話ですが。オニオングラタンスープが好きでしたね…。あと、期間限定でフリカッセという料理を扱っていて、それが銀英伝に出てくる料理だったので「これが例の…!」と思いながら食べた記憶があります。

これはもしかしてWEBか何かで連載されていたんですかね?そのへんの説明は何もなく、ただただ色んな人のロイヤルホストへの熱のこもった文章をぶつけられました。パラダイストロピカルティーとやらが気になる。またオニオングラタンスープを飲みたい(見事に術中にはまっている)


桜井政博のゲームについて思うこと Think about the Video Games
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2003年のエアライド発売時くらいに桜井さんがファミ通で連載していたコラムです。さすがにお若い!
「ゲーム作るには」の動画で語られていた内容もちょくちょく入ってますね。内圧をカンカンに高めることを大事に思っている人が、こうしてゲーム業界の底上げのために持論を公開してくれるのは本当にありがたいです。
特にアニメカービィの監督さんのお話が凄まじかったな…。 最終話の脚本を書いている時に奥さんが…という話は耳に挟んでいましたが、これは…。クリエイターは犠牲にするものが大きすぎる…
#ブクログ感想
塩の道 (講談社学術文庫)宮本常一
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無印良品で買った本第二弾です。なんでこんな本がおいてあるんだ、渋すぎるだろう…。民俗学の本ってことでいいんですかね。

調味料としての塩はそうでもないけど、鉱物としての塩(岩塩とか塩の結晶とか)が好きだったので買いました。でもこの本は日本の塩についての話だったので、浜辺に海水を撒いて塩をつくる方法がメインでした。他にも、日本の食べ物や暮らしの品々がどこから来てどういう変遷をたどったのかが、柔らかく読みやすい語り口で書かれていました。昔柳田国男の本も読んだことがあるけど、あっちよりだいぶ読みやすかったと思う。

目次を開いた途端目に飛び込んできた「塩は神に祭られた例がない」という章タイトルが面白かったです。塩はエネルギーになるものではないから神様にはならない、という話はなるほどと思いました。それと、塩が運ばれたのはメインの街道ではなくそれに沿った人通りの少ない道で、それこそ牛が道草を食いながら運んでいた…という話が好きでした。こういう昔の旅のエピソード好き。
新連載小説、中島京子「ポワールのソルベ」10月6日から:日本経済新聞...
中島京子が新聞連載やってるー!読みました!70代80代の恋がテーマらしいですがまだ片方出てきてないな…。私は全然対象読者じゃない気がするけど、そんなの関係なくこの人の話は面白いから好きです。

本屋行ってきました。中島京子の新刊も買いました。恩田陸の「なんとかしなくちゃ」の文庫版あとがきも読みましたが、続きの社会人編はまだまだ先になりそうですね…

旅行は倉敷、岡山に行ってきました。天気も良くて人混みも程々で(重要)、秋のとってもいい旅行になりました。ご飯も果物も美味しい!景色も綺麗でいろんな建物を見たい欲が満たされました。
大原美術館の展示めっちゃよかったな…。今年モネ展で見た絵より大原美術館のモネの絵の方が刺さりました。

夏の間は遠出する気力がなかったので、秋〜繁忙期の前までに全ての予定を詰め込んでしまっています。だから余計に原稿がピンチなんですが…!でもこの短い最高の季節を謳歌しないと、何のために生きてるのか分からなくなるから…!
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中島京子の新刊やったー!かたづの系の歴史長編なの!?ひさびさに重ための話が読めそうで嬉しい。
今旅行中だから帰ったら探そう!メッセージお返事も一部お待たせして申し訳ないです…
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恩田陸の近年出た小説の中で一番面白かった本が文庫になってる!めでたい!表紙が写真になってるのは、文庫で表紙面積が小さいから情報量を多くしたかったのかな…?
これ続きまだなんですかね…Wikipedia見ても連載してる形跡がないんですが…そろそろ読みたいんですけど!文庫版の解説に何か書いてないかな。本屋行って見るか。
#ブクログ感想
旅行者の朝食 (文春文庫)米原万里
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ロシア語通訳の方が20年くらい前に書かれた料理・食事テーマのエッセイ集ですが、面白いです。同じ著者で前読んだ他の本は>>1374,1474

旅行者の朝食って言うから旅×食の話かと思いましたが、ロシア(ソ連)の全然美味しくない缶詰の話でした。あとはちびくろサンボが実は〇〇人で、ホットケーキにバターではなく〇〇だったとか…ウィキペディアで調べたら分かるのかもしれませんが、知らなかったのでびっくりしたし、面白かったです。
ちょうどBSで今アルプスの少女ハイジのアニメが始まったので見てるのですが、この本には「ハイジで出てくるヤギのミルクに憧れてたけど、実際飲んだらくせが強くて想像通りの味じゃなかった」みたいな話もありました。

「パンツの面目ふんどしの沽券 」もそうでしたが、おそらく大量に資料にあたって書かれているので、普通のエッセイにはない密度があります。辻調理師学校の初代校長の書いた本も引用されてました。ノンフィクションだけど「美味礼讃」 を思い出しましたね。あれは辻静雄の半生を描いた話で、面白くて何度も読み返してます。また読もうかなあ。

実はこの本、無印良品で買ったものでした。たまたま訪れた店舗がその地方最大級くらいの大きさのもので、本を売ってるコーナーがあったんですよね。「こんなところで売ってる本とか、リビングに飾って楽しむような中身のない本なんだろう」という偏見まみれで棚を観察したのですが、割と渋いラインナップで文庫2冊も買ってしまいました…。一体誰が選書してるんだろうか。もう一つの本も今読んでますが、なかなか面白いです。
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当時、技術や費用の面で断念せざるを得なかった部分も含め、本来目指していた仕様をすべて実現した保護函入りの〈完全版〉を限定生産で発売!何それ!?私ユージニアはハードカバーで持ってるんですが、その時点で装丁はやばかったです。変形断裁の紙が三つくらい全部違う大きさで最初の方に挟まってたり、本文の文字が微妙に傾いて印刷されてたり…(文庫本のあとがきか解説を読んで知りました)。商業でやることじゃないだろと当時から思ってました。
しかし持ってる本はカバーがボロボロなんですよね…。この完全版も気になるけど、果たして私の生活圏内で売ってるのかしら。内容も結構好きだし欲しい、というか見てみたいなあ。箱入りなら保存性も良さそうだ。

そういえばうちのサイトの名前(夢の通い路)はこの本の章の名前からとってます。伝統的な折り鶴の名前なんですよね。そう思うとますます買う必要がある気がしてきたな…

◆著者よりコメント

この本の装丁の凄さを、当時は半分も理解できていなかった。

ましてや、まさかの完全版。全く把握しきれていない。

――恩田 陸
著者も困惑してるじゃないですか!装丁やる側が暴走してない…?
「亡命ロシア料理」、今読んでる米原万里のエッセイに出てきてやっぱり読みたくなってきた。諸事情あって図書館にあるかどうか分からないから、今度忘れずに検索すること(メモ)
あと東海林さだおの丸かじりシリーズも気になる。こっちは一番近い図書館にあるらしいから、今度予約の本が来たら一緒に借りよう。

年中読書してるけど秋は何故か図書館に行きたくなるな…。ちゃんと期間内に返せるように回していかなくては。
#ブクログ感想
超短編!大どんでん返しSpecial (小学館文庫)
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1本あたり文庫4ページくらいの話がいっぱい詰まった短編アンソロジーでした。ショートショートというべきなのかな。だいたいは3ページ目後半にどんでん返しが来ます(ネタバレ)
やはり1本あたりが短いので、個々の話の印象がぼやけます。しかも作者による実力差も結構わかりやすいです。どんでん返しが肝だからか、ミステリとホラーが多かったです。
※私はざっくり考えて、ミステリ→不思議な出来事にちゃんと種と仕掛けがある話、ホラー→なんかよくわからないけど不思議な出来事が発生する話、みたいな分け方をしています

この本の中でノンジャンルっぽい新釈・蜘蛛の糸(森見登美彦のやつ)、サイン会の話、筋肉賛美の話は印象に残りました。感動系で、人死もないけどしっかりどんでん返しがある話は面白いですね。そして、4ページくらいなら変なテンションのまま駆け抜けることも可能だとよくわかりました。