進捗雑記

今日から旅行なんですが、新幹線で備え付けの情報誌を読んでいたら、前から知っていた作家さん(結構有名)が故郷の出身だと判明してめちゃくちゃ驚きました。そ、そうだったんだ…!前読もうとして挫折しちゃったんだけどこれは読むしかないな!いや本当に知らなかったからびっくりした…こんなタイミングで知ることになるとは…
#ブクログ感想
大絵画展 (新潮文庫)
おっもしろーい!と読み切った瞬間バンザイできるくらい良かったです。最初のセットアップに割と時間がかかって「いつまで経っても大絵画展が始まらないなあ…」と思っていましたが、そこを過ぎたらどんどんおもしろくなりました。
簡単に言うとめちゃくちゃ借金してしまった人が一発逆転するためにゴッホの絵を盗もうとする話です。一応美術ミステリーという惹句があったので「原田マハみたいな話かなー」と思ってたら、最初から結構人生の汚い部分が克明に描かれていて全然雰囲気が違いました。でもそこからちゃんと絵画や美術品の良さとは何か、みたいなテーマにまで行き着くのがすごかった。ドロドロで始まったのに爽やかに終わって気持ちよかったです。
#ブクログ感想
坂の中のまち
全編にわたってむせ返るような中島京子テイストにあふれていてよかったです。ただ、最後がサラッとしていたから(だいたいいつもそうだけど)、もっと読ませてくれー!となりました。
確かエッセイで作者さんが東京の小日向に住んでいるという話があったし、そこを舞台に書いたのかな?東京は坂の町だという話は恩田陸も書いてたはずで、いい加減乱歩の「D坂の殺人事件」は読んでおかないといけないのかもな…と思いました。今回の話の中に事件のネタバレっぽい記述があったけど!(ちゃんと注意書きがありました)
#ブクログ感想
我が友、スミス (集英社文庫)
筋トレ好きが高じて女性ボディビル大会に出る人の話です。リングフィットやってるとちょっと専門用語が分かって楽しかった(雑魚キャラの名前の由来が分かったりした)
多分「筋トレと自分らしさ」がテーマの話で、恋とか友情とかの要素がなにもないのが潔かった。ものすごくストレートな筋トレ小説でした。
坂の中のまち
一週間いろいろあって疲れたけど、中島京子の新刊をゲットしたので疲れが吹っ飛びました。3月にも新刊出たばっかりなのに刊行ペース早いの嬉しすぎる!!(だいたい好きな作家が年一で新刊出してくれたら万々歳という感じです)
どうも収録作の中には他のアンソロジーか何かで読んだことがある話が混ざっているようですが、エピローグがついているので連作短編なのかな?「ガール・ミーツ・幽霊譚」とかいう謎の謳い文句が気になる。今読んでる本ちょうど今日くらいで読み終わるから明日から読めるかな!
しかし中島京子の本って表紙見ただけで大体わかりますね。デザインのテイストが全部いっしょだ…。だいたいほのぼのかわいい系のイラスト表紙な気がします。
#ブクログ感想
スバらしきバス (ちくま文庫 ひ-33-1)
主に東京の路線バスで目的地を定めずに飛び乗ってみた、というエッセイ集でした。東京の土地勘がない自分にはちょっと読むのが厳しい部分がありましたが、路線バスの雰囲気は抜群に出ているし、たまに観光周遊バスとか高速バスの話、バスツアーの話もあって面白かったです。
#ブクログ感想
悪女入門 ファム・ファタル恋愛論
図書館で借りてきた新書です。二十年前の本だし、今の悪役令嬢とかの悪女ではなくて、フランス古典文学のファム・ファタルの話でした。全体的に「あなたがファム・ファタルになりたいならこうやって男を翻弄しなければなりません」みたいな語り口で書かれていて面白かったです。
私は風と共に去りぬのスカーレット・オハラも悪女みたいなものだろうと思っているのですが、この本に出てくるファム・ファタルとはだいぶ違いますね。あの人は母親はフランス系らしいけど、父親のアイルランド系の血が強すぎるからな…

この「全面帯」というのはカバーの上にもう一枚カバーがかかるような感じなんですかね?確かにたまに見たことある気がする…

話は変わって、恩田陸の本は装丁が凝ってるから、全面まではいかずとも表紙の半分くらい帯だったりして楽しいんですよね。ハードカバーを買う醍醐味を味わわせてくれる作家だと思う。

万城目学・森見登美彦・上田誠による『V3』発売記念スペース
この3人の鼎談ラジオ面白いなあ。昔テレビ番組でこの組み合わせで雑談?しているのを見たことがあるのですが、何年経っても同じような感じで喋ってるんだな…
しかし本当に出版社を通さずに趣味でやったんだ…。企画の趣旨とかコンセプトを聞いてるとかなり面白そうな内容に思えるな。とりあえず再販できっちり買いたいですね…
早川書房 秋の大感謝セール
電子書籍のセールやってるんですね。三体とかプロジェクトヘイルメアリーもラインナップに入ってる!電子で小説を読む人にはおすすめかも。
私はbookwalkerを使ってるんですが、今あそこはコイン50%還元をやってるので、併用すれば実質400円未満で三体が買えるんですね…すごい…


残業してたら買い逃しましたよね!プロ作家の同人誌、気になる…中身もそうだけど装丁や用紙はどんな感じだろう…?
#ブクログ感想
向田邦子全対談 向田邦子全集〈新版〉 別巻一
向田邦子(エッセイがめちゃくちゃうまい直木賞作家、テレビドラマの脚本もたくさん書いてた人)の対談集です。飛行機事故の後しばらく経ってからまとめられた本を全集一巻としてまとめたのかな?向田邦子との楽しい対談→事故後の対談相手のコメントの順で載っているからしんみりしてしまう…。
対談相手の和田誠のエッセイとか水上勉の「土を喰う日々」とかを比較的最近読んでいたから個人的にはタイムリーで良かったな。対談だから当時の時事の話も多かったけど、そういう知識の助け+向田邦子のホスピタリティ精神のおかげかよく知らない時代の話も結構楽しめた。
シリーズ作品について②「死神」シリーズ
伊坂幸太郎公式サイトにあったコラムです。この作者さんの本の中では一二を争うくらい「死神の精度」が好き。昔は「ある日突然隣に千葉さんが引っ越してこないかなあ」と妄想したものでした(痛い…)(ターゲットはうちの家ではなくて千葉さん宅を挟んだ反対側を想定してました…)
短編ごとに映画のジャンルを意識していたのは知らなかったなあ。今度読み返す時に気にしてみよう。作者さんは短編も結構うまいと思うんですけど、苦手なんですかね…?
#ブクログ感想
ブラザーズ・ブラジャー
四六判より小さくて文字も大きめだったので2日で読み切ってしまった…面白かったけどもっと読ませてくれ!となりました。親同士の再婚できょうだいになった高校生の姉と中学生の弟がメインの話でした。
>>508 この記事を読んでから作者さんのことが気になっていて(いつも通ってる書評サイトでも高評価だったし)、とりあえずお試しで図書館でデビュー作?を借りてきたけど割といい感じだったので他のも読みたい。ヤングアダルトの棚にあったとおりの青春要素もありつつ、差別的感情とかぎこちない友人関係とか血のつながらない家族とかいろいろなテーマを内包していてよかった。
#ブクログ感想
卒業生には向かない真実 (創元推理文庫)
翻訳ミステリシリーズ三部作の最後でした。中盤以降の怒涛の展開は一気読みしました(今日は電車移動で時間があったため)。だいぶダークな展開だけど面白かった。一線超えちゃってる主人公ですが、なるべくしてそうなったので展開に納得感がありました。
前巻までの伏線がたくさんあったので最初から三部作構想だったのかと思ったんですけど違ったんですね!?後付けでここまで書けるのはすごい構成力だ…。いつか一巻から読み返すことがあったら伏線チェックしながら読んだら楽しいかも。
今日本屋にいったら恩田陸のユージニア(文庫版)のカバーが見たこともないようなデザイン(新聞か週刊誌風?白地に赤とか青とかの横帯があって、タイトル以外にも文字が印刷されていた)になっててびっくりしたんですけど、ネットで調べても特に情報が出てこない。あの本屋オリジナルのカバーだったのか…?帯と表紙が一緒になっているようなデザインでした。
ドイツの推理小説ランキング一位みたいな情報も書いてあって、明らかに今までのデザインとは別のタイプの読者に訴えかけていたな…。でもあのデザインは「Q&A」か「ドミノ」でやるなら分かるけど、ユージニアは全然イメージとそぐわない…!
私が持ってるのはハードカバー版ですが、本文が数度傾いて印刷されていたり、変形断裁の遊び紙みたいなもの(文章が印刷されている)が挟まっていたりと面白い装丁で好きでした…。恩田陸の本は装丁が凝ってることが多いからハードカバーで買うと楽しいんですよね。蜜蜂と遠雷の装丁はピアノが意識されていて良かった。
>>548 読んでる翻訳ミステリについてこんな感想を書いてたら、今日読んだ範囲で「まだ半分しか読んでないのに話が終わりそうなくらい盛り上がってる!」となって一気に読み進めると、もはやジャンルが変わるレベルの大変な出来事が発生して「こ、これどうなるの…?」となりました。ミステリかと思ったらハードボイルドみたいな盛り上がり方をして、次はサスペンスに突入しました…。すごいなこの本。本屋大賞上位も納得。
>>517 今この本の続刊を読んでいるのですが(※翻訳ミステリ)、はじまりの時点で完全に主人公がPTSDになっていて(前巻のラストがラストだから仕方ない)、その描写がうますぎるから読んでる方もしんどくなってしまってなかなか読むスピードを上げられない。一気読みするにはカロリーが高すぎる…面白いんだけど!
この作者さんはブチ切れたり精神をやられたりしている人間の描写がうますぎる。ミステリも面白いけど心理描写がすごい。地味に翻訳の文体も自然でいい。

小説の視点人物があまり寝てない状態で調査を続行することがミステリだとたまにあるけど、なんか読んでる方もきつくなってきて読み進められない、という現象はままある気がする。個人的にフロスト警部シリーズ がそうでした…面白いんだけど、全然視点人物が寝てくれないからどんどんしんどくなってくる。話の最後の盛り上がりでそうなるなら耐えられるけど、あまり長期間続くとつらいのかな。私はただ読んでるだけなんだけどなあ…