#ブクログ感想 剛心 (集英社文庫)木内昇 (Loading...)... 明治の建築家・妻木頼黄の一代記みたいな話でした。目の付け所が渋い。そもそも「妻木頼黄」(つまきよりなか)って読めないだろう…と思います。私は「あー日本建築史かなにかで出てきたなあ」と答え合わせする感じで読めましたが。東京駅をつくった辰野金吾は知ってても妻木さんはさすがにマイナーなのでは…だからこそ題材に取り上げられたのでしょうが。 全四章+終章の構成で、二章が一番面白かったです。なんと半月で議院建築を建てる(しかも地元の東京じゃなくて広島に)というミッションが課せられる話で、建設業界のブラックさがこれでもかと表現されていました。設計だけじゃなくて施工とか積算とか基礎作るための地質調査・測量とかまでカバーされてて、さらにそれらの描写に違和感が全然なかったので、めちゃくちゃよく調べて書かれたんだなあと思います。 でもあまり前提知識を持たない人が読んだら、「トラスって何?」「真壁造って何?」「海老虹梁って何?」とか固有名詞に引っかかって読みづらそうな気はする…。私は面白かったです。写真とか図があったら良かったのかもしれないけど、そうすると本当に教科書みたいになるから難しいですね… 読書 2025/09/15(Mon)
剛心 (集英社文庫)木内昇
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明治の建築家・妻木頼黄の一代記みたいな話でした。目の付け所が渋い。そもそも「妻木頼黄」(つまきよりなか)って読めないだろう…と思います。私は「あー日本建築史かなにかで出てきたなあ」と答え合わせする感じで読めましたが。東京駅をつくった辰野金吾は知ってても妻木さんはさすがにマイナーなのでは…だからこそ題材に取り上げられたのでしょうが。
全四章+終章の構成で、二章が一番面白かったです。なんと半月で議院建築を建てる(しかも地元の東京じゃなくて広島に)というミッションが課せられる話で、建設業界のブラックさがこれでもかと表現されていました。設計だけじゃなくて施工とか積算とか基礎作るための地質調査・測量とかまでカバーされてて、さらにそれらの描写に違和感が全然なかったので、めちゃくちゃよく調べて書かれたんだなあと思います。
でもあまり前提知識を持たない人が読んだら、「トラスって何?」「真壁造って何?」「海老虹梁って何?」とか固有名詞に引っかかって読みづらそうな気はする…。私は面白かったです。写真とか図があったら良かったのかもしれないけど、そうすると本当に教科書みたいになるから難しいですね…