進捗雑記

#ブクログ感想
spring  恩田陸
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再読しました。番外編を読んだら本編も読みたくなったため… >>1981

この話は改めて読むと時系列が結構複雑です。全4章構成で、それぞれその章の主人公の一人称視点で描かれているのですが、主人公たちはおそらく「①この本のラスト以降の時系列」から過去を振り返っています。その過去のエピソードは基本的には「②メインの時系列」で順番に語られていきます。さらに、②の間に「③過去回想」が挟まってきます。
①の時系列(現在)にいる人が②の思い出話を語りながら、時々③で補足するイメージです。

普通に考えたらこんなややこしいことはしないと思うのですが、何故かすらすら読めてしまうのがすごいです。きっと「蜜蜂と遠雷」と比べられることが多い本だと思うのですが、コンクールの優勝という一つの目標に向かっていく蜜蜂と〜とは物語の構造からして全然違っています。

とにかく時系列がふわふわしていて、特にバレエ団入団後のエピソードは再読しても何がどの順番に並んでいるのかさっぱりわからなかったのですが(メインのダンサーがどの順番でプリンシパルに昇格したのかよく分からなかった)、私はそのふわふわを楽しめました。恩田陸が昔から書こうとしている概念としか呼べないもの(チョコレートコスモス→蜜蜂と遠雷→springで語られてきた、芸術の極地みたいなもの)が、前面に押し出されている気がします。それを描くために余計なものをカットしていると思えば納得できます。