進捗雑記

#ブクログ感想
「ミラノの太陽、シチリアの月」内田洋子
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この筆者さんの本の中で私が初めて読んだ本を再読しました。今はなき某本屋でジャケ買いして大当たりだったんですよね、懐かしい。初読時は、まるで小説のようなエッセイにびっくりしたものです。
>>1610 この本の次に刊行された本のはずなので、ある程度共通の登場人物がいます。ミラノの犬の散歩界隈の重鎮(?)パトリツィア、北斎の生まれ変わりを名乗るリグストロが特に印象深いです。船乗りのサルヴァトーレ、鉄道員オズワルドは他の本にも出てきたかな。

ラストにイタリアの閉鎖的な田舎の結婚式の話が載っていて、お花で村中を飾ったり、古城みたいな場所で披露宴やってダンスパーティがあったりとめちゃくちゃ幻想的なんですが、その一方でどこか背筋が寒くなるような人間関係を感じさせるのがすごいです。そういう微ホラー風味を求めて私はこの方のエッセイを読んでいるのでしょう。

文庫の解説者は筆者さんの大学の先輩で、イタリア語通訳の田丸さんでした。>>1234 この人の本も比較的最近読み直したから、頭の中でいろいろとつながってきて面白かった。