進捗雑記

#ブクログ感想
マンスフィールド・パーク (上) ジェーン・オースティン
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オースティンの小説を読むのは「自負と偏見」(※旧訳新潮文庫版 高慢と偏見のほうがメジャーな呼び名かも)、「エマ」に続いて3冊目です。200年くらい前に書かれた話なのにどれも面白くて好きです。
相変わらず「イギリスの上流階級における数家族間の狭い範囲における交流が描かれ、最後に女性主人公が結婚する」という分かりやすすぎる筋書きですが、今回は主人公が控えめな性格で大和撫子タイプなのが特徴ですね。でも自分の意見はしっかり持っている人なので、自己評価が低い上に分別があるからこそ意見を黙っている場面が多いです。この「分別」というものにめちゃくちゃ重きを置かれているのがオースティンの小説(もしくはその時代)の特徴なのかも。

岩波文庫で読んでるのですが、毎章の終わりに解説がある+巻末にもしっかりその時代の説明(爵位とか馬車の種類とか)があって助かります。
どうやら3巻分を上下巻に収めているみたいで、巻の終わりにしっかり「引き」があります。とはいえ狭い世間で成り立っている話だから、その引きも「父親が単身赴任でいないのをいいことに従兄弟たちが実家を好き勝手していたら、急に父親が帰ってきた」とか、「全然興味を持てない男に求婚された主人公がそもそも求婚自体を冗談だと思ってるが、着実に外堀は埋まりつつある」とか、そんなレベルです。こういう小さな出来事の連続でもしっかり面白いのがすごい。

やっぱり心理描写がうまいから読み進めるのが楽しいのかなあ。家族間の濃密な関係が築かれていて、何かイベントがあるごとに誰かが不機嫌になったり上機嫌になったりが克明に記されているから臨場感がある。さらに、誰一人として先を見通して行動できている人がいないことが、先の読めなさに繋がっている気がする。また最後の方でエマの時みたいに主人公覚醒のターンがあるんじゃないかと期待しながら下巻も読み進めます。